バックスキンとは、鹿革を指す言葉で、後ろを意味するバックとは違う──なんて、本でよく読みましたっけ。
スェード調の革には、牛の革をヤスリで擦ったようなヌバック、毛足の長いベロア、そして鹿革のバックスなどがあります。
ところでダーティバックスと呼ぶ靴があるのですが、この名称は考えてみれば良くできた名前で、ちょっと日本人向けの言葉かも知れません。
直訳すれば、汚れた鹿革となるワケで、すこしブラウンがかったベージュ(ま、バックスの自然な色です)を指しています。英語圏ではダーティと云わず、単にバックスと呼ぶようなので、もしかすると、和製英語なのではありませんかね。
ダーティバックスが流行した当時は、やはりリーガルブランドの靴が席巻していて、それは決してバックスではありませんでした。
つまりバックスの靴と云えばダーティバックスだったのですが、実際にはヌバック風の牛革を使っていたので、敢えてダーティ=汚れたようなバックスと言い回したのか、と。
なんて、今日は黒いスェードの靴を履いているので、ちょっとうがってみたのでありました。
しかし、バックスは安くないっすね、今でも。(^^;