私事で恐縮なのだけれど、つい先日四十三歳になった。気は若いが、オジサンというか中年世代を邁進(まいしん)しているにちがいない。振り返れば、日々の暮らしの中で装う地味や派手は、年を追うごとに少しずつ変化していて、それは流行だったり好みだったり、いろいろな理由によることだ。
世代と装いの関係は、若者こそハツラツと派手に、老いればそれなりに地味な装いへ変化するものと相場は決まっていたが、近年では明らかに傾向が逆転している。
しかし、いくら中年世代が派手にするといっても、節度のない着こなしでは目立つばかりで大人の嗜みにならない。そこで「ジミハデ服」がキーワードになるのである。
上品な色合い、上質な素材、保守的なデザイン。サイケデリックで不快感を覚えるモノはよろしくない。一見すると無地のようでも、よく目を凝らせば柄がある。明るい色の組み合わせでも、全体の雰囲気を締めくくるポイントカラーを着こなす。
オジサン世代のファッションは「ジミハデ」を駆使して、子供よりも一枚上手をいくのである。